今回紹介するのは、初代プレイステーションよりKOEI(光栄)から発売された「維新の嵐 幕末志士伝」です。
本作は正にじっくり要素が詰まった作品で、ゆったり要素も散りばめられた作品でもあるので、当サイトのコンセプトにあったゲームだと思います。
目次
- ゲーム概要、システム
- ゆったりじっくり要素
- まとめ
ゲーム概要、システム
ゲーム概要
「維新の嵐 幕末志士伝」は実際の幕末の時代を舞台に一人の主人公となり、幕末の始まりから終わりまでを生き抜くシミュレーションゲームです。
当時、プレイステーションのソフトは、信長の野望などファミコンで登場していた既存のシミュレーションゲームだけでなく、プレイステーションなどの次世代ハードの性能に合わせたソフトが多数登場しました。
この「維新の嵐 幕末志士伝」はそんな次世代シミュレーションゲームです。
しかし、実は基本的なシステムは次で紹介するように複雑なアクションがあるわけではありません。
この作品の凄いところは、当時としては、作り込まれた世界観のリアルさと多彩なお楽しみ要素がある点です。
今回はそんな「維新の嵐 幕末志士伝」の魅力を混ぜながら、「ゆったりじっくり要素」を紹介していきます。
システム
本作は実在のキャラクターもしくはオリジナルキャラクターを選択してプレイできます。
選択できる実在キャラは、土方歳三と坂本龍馬の2名で、それぞれに決められた思想や立ち位置でプレイするため、全然違うストーリーを楽しめます。
さらにオリジナルキャラクターでプレイすることができます。オリジナルキャラクターは思想や行動を自由に決めることができ、それによって、プレイ中のイベントなどが決まっていきます。
目的
このゲームは主人公が持つ思想に時流を近づけることが目的です。
思想には幕末に日本が分裂する起因となったものとして大きく3本の思想があります。
- 国内主権:佐幕⇔尊王
- 外交姿勢:開国⇔攘夷
- 解決方法:主戦⇔穏健
さらに各思想の組み合わせに応じて持つ意見(目標)があり、知識や思想の強さによって目標レベルも変化します。
例えば、史実に向けた思想とする場合は、「尊王・開国・穏健」を目指すことになります。
その場合の目標は、知識習得と思想を深めることで、徳川幕府の大政奉還という意見を持つようになり、さらに深めることで国会の設立とそのトップを天皇とする意見を持つようになります。
その目標となる意見を最高レベルにして、世間の時流の思想を自分の思想に合わせることでクリアです。
クリアの制限ターン(1867年○月までにクリアなど)は、プレイするキャラにより異なります。
進め方
プレイシステムとしては、実際の歴史年表を軸に1日ずつ進める内容になっており、主人公が持つ行動力の範囲内で1日を自由に行動します。
この行動力は体調や行動内容によって消費され、行動力が無くなるとその日は休まなければなりません。その制限の中で、幕末の時代を実際に過ごしていきます。
後ほどのゆったりじっくり要素でも触れますが、1日がじっくり進むので簡単な行動だけだと1年の経過には時間がかかります。しかし、時流を動かすには多くの人々と会う必要があり、地道な行動が必要です。地域の移動や学問、剣術を学ぶと進行が早くなるので、意外と時間はありません。
例えば、江戸から京都へ移動すると距離に応じた移動日数がかかるのに合わせて、疲れが溜まり、1日寝泊まりでは完全回復しないこともあります。
特に格の高い人物に会うため、別の人物から紹介状を出してもらう必要がある場合があり、地域を行き来することも少なくありません。
また、イベントによっては特定の地域へ強制的に行かされることもあるので、自由の中にもMustがあることを想定しておく必要があります。
ゆったりじっくり要素
「風雲の嵐 幕末志士伝」は、シミュレーションゲームでありながら、その自由度の高さから目標達成以外にもいろいろな要素があります。
そのため、「ゆったりじっくり要素」もたくさん含まれているので、いくつか紹介していきます。
ちなみに、目標を自分なりの方法でじっくり進めていくゲームなので、元々からゆったりじっくり要素がメインの作品とも言えます。
ミニゲーム要素がいくつかある
この作品はシミュレーション的に進めていく中で、遊びや戦いを異なるプレイ形式で実践していきます。
主なものを紹介すると
- 説得(カードゲーム式)
- 剣道(横画面アクション)
- 戦闘(ターン制)
- 花札(カードゲーム式)
いずれも本編を進める中でもプレイする場合があります。
特に「説得」はクリアに欠かせない行動の一つですので、強くなっておくとクリアがしやすくなります。
ちなみにこれらは、タイトル画面から「練習」として気軽にプレイできます。
剣道は2プレイもできますので、簡単な対戦ゲームとしても楽しめますよ。
国内旅行・観光を楽しめる
このゲームは当時の時代を東北から九州まで自由に移動して行動でき、各地域の名所や名産品を目にすることができるのです。
さらに、プレイ中のメニューから訪れたり購入したりしたものをスタンプラリーのように記録されている欄があります。それを見ることで、各地をどれだけ訪れたのかを確認することができ、そのデータはプレイヤーのステータスの向上にもつながります。
名所
各地域に足を踏み入れると、地区や建物に移動ができるのですが、その際に名所を選択できます。
名所に訪れると風景のグラフィックを見ることができ、主人公がコメントも残してくれるので、ちょっとした観光気分に浸ることができるでしょう。
名産品
各地にはご当地名産となるものが販売されています。
めし屋や茶屋、料亭では、ご当地の料理を堪能できますし、茶屋ではご当地のお土産を購入することもできますので、つい、いろいろなお店に足を踏み入れて、珍しいものが無いかウインドウショッピングしてしまいます。
それらの中には記録として残されるものがあったり、お土産はこの先出会う人々へ渡すことができるものがあったりします。
祭り
各地域にはご当地の祭りがある場合があります。
こちらもメニューから内容を確認できるので、まずは場所を知っている祭りがあるかを確認しましょう。
ただ、祭りですので開催時期が決まっています。時期が合っていれば、近くに来た時、その地域に寄って街へ繰り出してみましょう。
幕末の世界に没入できる
このゲームの素晴らしい点でもありますが、何と言っても、実際の幕末の時代に沿ってプレイをしていくという点が、ゆったり過ごし、じっくり進めるプレイに非常にマッチしています。
時系列に沿った事件やイベントが起こる。
フリーキャラでプレイすると特に実感できますが、当時に起きた事件やイベントが、起こった時期・場所にいると遭遇することがあります。
大きな事件などは関連者であれば遭遇しますし、関連していなくても、宿泊先や知人から即座に情報を手に入れることができます。
例えば、土方歳三や新選組に加入したフリーキャラであれば、池田屋事件に呼ばれて、参加することになりますし、そもそも、そのフリーキャラは、恐らく新選組の前身である浪士隊が募集していた場所に訪れていたことで、勧誘され参加した結果、新選組に入ったと思います。
また、起きるはずの事件が起きない場合、何かしらの行動が影響を与えたということになります。
当時の事件を追体験できるという点で、非常にリアルなじっくり要素があります。
歴史上の人物と行動でき、苦楽を共にできる
行動を進めていくと、歴史上の人物と親密になり、一緒について来てくれることがあります。
格が高い人物は中々難しいですが、「志士」という肩書の人物なら、比較的簡単に同行が可能になります。
志士にも有名な人物は多くいるので、歴史上の人物の一人として謳歌する気分になれます。
また、知名度が上がっていくと、反対思想の人物から襲われることがあり、その時には、同行者が共に戦う仲間になってくれるので、戦闘時の戦力になります。
戦闘以外にも設定した愛称で呼んでくれる同志がいるときは、安心感が付いてきます。知名度上がり、クリアに近づくと制限時間を気にするようになると思いますので、同じ思想の同志を連れて歩くことで、ゆったりじっくり要素を改めて感じていただくなど、重要なポイントになるかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「維新の嵐 幕末志士伝」は、私自身、プレステ時代から未だに飽きることなく、時間があれば、どんどんやっていきたいと思っている作品です。
特にフリーキャラは、自分で名前や思想などのステータスを自由に設定でき、行動も本当に自由に人生を選択していけるので、ゆったりじっくり要素としてオススメです。
この作品は私が感じる「ゆったりじっくり要素」が詰まった、だらけ過ぎず、緊張しすぎない絶妙な面白さを持ってプレイができる内容ですので、同じような「ゆったりじっくり要素」を感じたい方は特に是非プレイしてみてはいかがでしょうか。
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