今回紹介するのは、初代プレイステーションから2000年にTOMYから登場した「ZOIDS 帝国VS共和国 ~メカ生体の遺伝子~」です。
当時放送されていたアニメ「ゾイド」の世界を舞台とした作品です。ただ、アニメでの時代とは異なり、少し前の時代を舞台としています。
アニメではへリック共和国とガイロス帝国の2国間の戦争を背景とした舞台でしたが、本作はガイロス帝国の前身となったゼネバス帝国が存在していた時代に起きた、ゼネバス帝国とへリック共和国の戦いが舞台となっています。
当時、初代プレイステーションソフトは多数登場しており、新たなジャンルやシステムが登場していましたが、本作は従来のシミュレーションゲームを引き継ぎながら、プレステらしい3Dポリゴンが使用された作品となっています。
作品概要
戦略シミュレーションゲームであり、プレイヤーは2国の戦いにおいて、どちらかの陣営に属する中隊の指揮官として参加します。
プレイヤーは作戦ごとに駐屯する基地で中隊を編成・訓練しながら、次の作戦に備え、作戦を実施します。
事前に作戦の背景や作戦内容が提示され、場合によっては、自身の中隊以外の友軍が作戦に参加することもあり、実際に戦場の士官として参加しているような体験ができます。
システム
ストーリーは章に分かれており、章ごとにいくつかのステージが用意されています。
各ステージでは、
ブリーフィング(作戦会議)⇒作戦準備(基地で開発・編成・訓練)⇒作戦決定⇒戦闘
といった流れで進みます。
ブリーフィング(作戦会議)
ブリーフィングは、次の戦闘に関する説明がされるフェイズで、一つ前の戦闘に勝利して次に進むとブリーフィングが行われます。
ブリーフィングは上官(主人公が中隊長のため、大隊長or方面軍司令?)から行われます。
特に何もなければ、現状の説明として前回の結果、戦況がどう変わって今回になったのかの話があり、今回のマップと敵の状況などが説明されます。
ここで次の戦いの大体の流れを把握しておく必要があります。この内容を基に準備をどれくらいする必要があるかを考えておくことができます。
また、作戦によっては作戦をプレイヤーに選択させる場合があります。
例えば、敵基地への侵攻作戦の際、真正面から攻めるか、右翼に各部隊を集中させて攻めるかなど侵攻方法を選択することができる場合があります。
この場合は、ブリーフィングでは作戦案の説明のみが行われ、実際に作戦をどれにするかは、作戦準備後の戦闘に入る前に選択します。(今回は「作戦決定」という名称で下記に記載しています。)
作戦準備(基地で開発・編成・訓練)
このフェイズは作戦準備という名の自由時間で、駐屯地(ベースキャンプ)で様々な準備が可能です。
ここで選択できる項目は下記のとおりです。
- 出撃:次の戦闘(作戦決定)に進みます。
- 部隊編成:所属する各小隊のゾイドを編成します。
- 工場:新たなゾイドやアイテムの購入ができます。
- 研究所:新たなパーツの開発や強化パーツを使用した改造などができます。
- 訓練:実際の戦闘による訓練を行い、経験値を貯めることができます。また、軍資金や敵を鹵獲することも可能です。訓練内容のレベルは3段階から選択可能です。
- 自室:システム設定画面で、設定やセーブ、図鑑確認などを行うことができます。
作戦決定
駐屯地で「出撃」を選択することで、戦闘に進むことができますが、作戦案の選択を求められている場合は、このタイミングで作戦を決定します。
ブリーフィング内容は見直すことができませんが、作戦案は一通り見直して、作戦準備に戻ることもできます。
私は作戦準備をゆったりじっくりしてしまうため、ブリーフィング内容を忘れてしまい、作戦案を見てまた準備に戻ることが多いです。
戦闘
ストーリーを進めて戦闘を開始します。これを実行しないとストーリーが進みません。
ゆったりじっくり要素
「ZOIDS 帝国VS共和国 ~メカ生体の遺伝子~」のゆったりじっくり要素は大きく3つです。
ゾイドの国の一指揮官として戦いに参加することで、じっくり世界を体験できる
シミュレーションゲームの没入感を味わいたい方々にとって、気になることとして、そのゲームの世界におけるプレイヤー自身の位置づけがあるのではないでしょうか。
例えば、大国の軍を動かすようなゲームの場合、プレイヤーは国の王や総司令官であることが多いです。それによって国政を支持するプレイ中は良いのですが、実際には一つ一つの戦闘を指揮することになります。簡略化させるための委任機能がある場合もありますが、上手く戦況を動かすには、広い所も狭い所も携わる必要があります。
その際にプレイヤーは王であるところから、いつの間にか軍の一指揮官になっていることがあります。つまり、王や総司令官が直接指揮しないであろう戦闘もプレイすることがあるのです。
このとき、プレイヤーは少し立ち位置にブレが出てしまい、没入感を低下させてしまします。
ちなみに私の場合は、根本的に妄想でストーリーを付け加えているため、各シチュエーションに合わせてそのストーリーをつなぎ合わせることで没入感を感じています。
話を戻しますが、
この作品は、当初より軍の中隊長という立ち位置が決められてストーリーを進めます。
そのため、指示や会話の際には、中隊長という立場で話をしてもらえます。
また、中隊の編成以外の開発などにおいては、自由に発展させることはできず、中隊が持つ余力とベースキャンプが用意できる技術力の範囲でしか対応できません。
このゲームにおいては、それらの制限が、中隊長という立場となっているプレイヤーの位置にぴったり当てはまっており、現実性のある世界でプレイできるという没入感を味わうことができます。
思い思いのゾイドを編成・改良し、理想の中隊(ゾイド)を作れる
先ほどの中隊長としての没入感があるゲームであるという点につながりますが、中隊長ということで、この中隊の編成をする指揮権を有しているということになります。つまり、可能な範囲で自由にできるのです。
まず、「小隊が編成できる」という点があります。
プレイヤーはアイアン小隊など大きく9つの小隊を編成できます。
実際の戦場に出撃できる小隊数は制限がありますが、小隊ごとに特性を持たせたり、メインのゾイドを編成したりと好みの部隊を分けて作れます。
実際にも中隊の中には、支援攻撃を行う小隊や斥候を担うことの多い小隊など専門が分かれることがあります。この小隊の作り方もそのように戦闘時に使いやすいように編成することで、プレイがしやすくなり、さらに没入感にもつながります。
次に、好きなゾイドを揃えられる点です。
例えば、私はへリック共和国のコマンドウルフが好きですが、コマンドウルフ小隊のようにコマンドウルフだけで編成することができます。
状況にもよりますが、一つの小隊の移動速度が近い方が作戦を遂行しやすい印象がありますので、飛行能力を持ったゾイドだけで編成するなど、限定するのも悪くはないと思います。
最後に、特別なゾイドを編成できる点です。
先ほどのコマンドウルフだけで編成するとした場合でも、そのうち、指揮官機にあたるゾイドだけは、特別なパーツや装備、スキルを重点的に付けて、専用機のような形にすることができます。
私の妄想プレイでもよくするのですが、何人か中隊の中にキャラクターを用意し、そのキャラが搭乗するゾイドの性能を上げて、〇〇専用機とします。
これもじっくりプレイして没入感をかなり高められるのでオススメです。
戦闘(作戦)までのターン制限が無く、満足するまでゆったりじっくり力を蓄えられる
最後のゆったりじっくり要素は、「作戦準備」が時間制約のない自由なプレイができる点です。
ターン制のシミュレーションゲームの場合、次の戦闘までに行動できる準備時間は行動力や資金によって制限され、使い切ると動けないので、仕方なく次のストーリーを進めることがあります。
この作品も、作戦準備中には行動力というものは無いですが、資金はあるので、それが無くなると、改造や購入などができなくはなります。
しかし、この作品には、「訓練」というコマンドにより、経験値だけでなく資金を調達することができます。この資金は訓練を何回でもできることや、敵の鹵獲などができることで、思っている以上に稼ぐことができるのです。
つまり、ほぼ無限に準備をすることができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「ZOIDS 帝国VS共和国 ~メカ生体の遺伝子~」は当時としては、本格的な世界観を作ったシミュレーションゲームです。
最近のゲームにもないシチュエーションを作っていますので、是非、プレイしてみてはいかがでしょうか。
また、続編として「ZOIDS2」も初代プレイステーションから出ています。
こちらも合わせてご検討ください。
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